”DUO”-Jimmy Blanton-

ジミーブラントン.jpg

”DUO”-Jimmy Blanton-

Victor EPA-619


1940年の録音、勿論オリジナルはSP盤78回転のレコードであります。

デビット・ストーン・マーティンばりのお洒落なイラストのジャケットがなんともかっこいい。さらに、ここにクレジットされている演奏家の名前はとんでもないJAZZの巨人たちであります。
JIMMY BLANTON WOODBASS
DUKE ELLINGTON PIANO
DUOの演奏で曲目は4曲しかない。

ジミーは1918年生まれ。1941年前半22歳か23歳に結核で亡くなっている。
エリントンの楽団には1939年〜1941年のたった2年しか在籍していない。

当時の噂話をひとつ

「ジミーのベースサウンドはエリトン楽団を下から持ち上げる」

そのサウンドを想像するだけでワクワクしますね。

年配のJAZZファンから伝説のベーシストであると話には聞いていたが聴きたいと思っていても探す術がなかった。
そんな話を中古レコード店のマスターにしてみると、となんと

「今あるよ」

と言って出してくれたのはSPレコード。!!(汗)
聴きたいと思っていたVictor盤デュークとのDUOの音源であった。
ちょうどこの少し前にSP専用プレイヤーとしてQRKとMICROTRARKのSYSTEMを求めていただけに一瞬唾を飲み込んだのを覚えている。
割らないように(笑)大事にSP盤を抱えて持ち帰り早速ソノボックスのカートリッジを盤に沿わせたのであります。

パンパンのコーン紙を持つJBL K145ウーハーが魔法でもかかったようにグイグイと鳴りだすではないか。それに合わせてエリントンのピアノは鋭いピアノタッチで答えるのです。なんてモダンで新しい音楽世界なんだとビックリ。これが50年前の音楽なんだ。!!

ジミーのウッドベースサウンドはまるで樹齢100年の丸太にガット弦が張ってあるのではないかと想像してしまうような豪快な地面を揺るがすようなものだ。
そして豪快さにビートとリズムのバランスが自然に乗ってきて楽しく勝手に足が体がビートに合わせて動いてしまうのです。
今では興味が高じてオリジナルEP盤まで私の処にやってきてしまった。

ちなみに皆さんがお持ちで知っているのが「This one’s for Blanton!」デュークとレイ・ブラウンのDUOのアルバムですよね。(PABLO 2310.721)
この録音の3年後にエリントンは亡くなってしまいます。と!!思えない程のパワー溢れるデュークの演奏にレイも苦笑するしかありません。
本当はそれどころじゃないんですけどね。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

 

 

広告

”Rubber Soul”-The Beatles-

IMG_9882


 

企画室佐藤「ケンさん。何かかっこいいジャケットないですかねぇ?」

上遠野健「そりゃもうこれでしょう!」

バンッ

”Rubber Soul”-The Beatles-

佐藤「おお〜。しかし、たとえばこのジャケットを初めて見た人に、かっこよさを伝えることってできます?」

健「え!?そんなの問答無用でしょう!」

佐藤「いやいや。モノの”良さ”ってのは対象になる作品の内側に普遍的に在ったり無かったりするものじゃなくて、それを鑑賞する人の内側に発生するもののことですよ。つまりは視点の問題だと思うんですよ」

健「でた(笑)!そういうこと言うからますます書きづらくなっちゃうんじゃない!」


ダイナミックオーディオ5555店 2F・上遠野 健

”THE PAWNBROKER/邦題「質屋」”-QUINCY JONES-

質屋2

”THE PAWNBROKER/邦題「質屋」”-QUINCY JONES-

MERCURY MG21011


1965年の作品、あー「サウンド・オブ・ミュージック」も公開された年でもあります。有楽町のスバル座で1日で3回も見た映画が「サウンド・オブ・ミュージック」だ。
素敵でハッピーで私はたった3時間でマリア役のジュリー・アンドリュースの虜になったんだ。

で、話は「質屋」の方です。徹底的に暗い映画です。救いが無いと言っていい。
LPジャケットのデザインもそれを予感させている。

舞台はニューヨーク、ハーレムの高架鉄道下にある質屋。
主人公のナザーマンはポーランドで幸せな家庭を持っていたが、ナチスの侵入でユダヤ系の彼の家族は収容所へ送られ殺されてしまう。かろうじて生きのこった彼はアメリカに亡命したものの、この悲劇は彼の人生から人間的な温かみのある感情や人を信じる心を奪い、お金がすべての人物に変えてしまったのです。
そんなナザーマンが経営する「質屋」で起きる出来事は…。

クインシーの音楽は特にクールに演者に寄り添うナ。映画の内容と白黒によるコントラストの強い画面にピッタリだ。
JAZZの要素は少なくストリングスを使いナザーマンの心の内を見事に描き切っていると思います。

ナザーマン演じるロッド・スタイガーが何とも良いんだ。この映画の前に「夜の大走査線」の警官役を観て凄いと思っていただけに、このナザーマン役を観て役者という職業の困難さを肌で感じたものです。

映像と音楽で人はより感情的になるもんですね。

 


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

 

”COOKIN’”-Miles Davis-

MD1

”COOKIN’”-Miles Davis-

PR7094


生まれて初めて買ったJAZZLP。

きっかけはもちろん映画「死刑台のエレベター」であり、マイルスの別なLPも聴いてみたいという思いからだった。

レコードにVMS-20Eの針を下した瞬間から、このアルバムが持つ雰囲気やサウンドは私にJAZZとはこういう音楽であるという事を強く印象付けしてくれたのです。
そして、このアルバムでコルトレーンやチェンバースなどの素敵なサイドメン達を知る事となりました。

事件とは突然におこるものです。
このアルバムを自作の長岡式バックロードホーン(FP-203入り)で4年間聴き続け、ダイナに入社しJBL S8Rを使うようになり更に4年が経とうとしていた頃のことです。
同僚のY氏が私のAUDIOSYSTEMサウンドを聴きに来たのです。私はこのアルバムの中から名演「マイ・ファニーバレンタイン」を再生した時に事件は起きました。
Y氏が一言

「ポール・チェンバースのベースサウンドはこんなもんじゃない」

私はこの一言に「???」
しかし確かに私はチェンバースのBASSサウンドがどのようなモノであるかなど想像したことも無かったのです。
おまけにY氏は

「こいうBASSサウンドを”ペンペンベース”っていうんだ」

とも言い放ちました。

我ながら賢明だったのは、その言葉に腐らずに「こんなもんじゃない」を10年間考えイメージした事。ウッドベースってどんな風にサウンドするんだろう。スピーカーを前にしてイメージしたり、通勤中の考えたりしたもんだ。

ウッドベースのサウンドは私のAUDIOサウンドの原点であり、常に意識して聴く楽器であります。素敵なベーシストは、レイ・ブラウン。ダグ・ワトキンス。チャールス・ミンガス。などなど。ジミー・ブラントンなんてベーシスト聴いたことありますか。凄すぎて呆れてしまうほど、とてもありがたいと思えるサウンドなんですよ。
彼らがスピーカーの中央上下一直線にサウンドする。スピーカーの左右のバランスが完璧でなければならない。

趣味は個人的な自由な楽しみかもしれない。でも私には「俺の音楽はこんなもんじゃない」と演奏家たちの声が聞こえてくるんだ。

あの時のY氏の一言が無ければ、私の音はいまも演奏家不在の独りよがりのAUDIOサウンドであっただろう。感謝。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

”Chinatown”-JERRY GOLDSMITH-

チャイナタウン.jpg

”Chinatown”-JERRY GOLDSMITH-

Victor SWX-7087


ジェリー・ゴールドスミスは私の好きな映画音楽作曲家の一人であります。

1975年だっただろうか。銀座の松竹セントラルでこの映画を観た。オープニングのトランペットが奏でる甘いメロディとサウンドに館内の空気が変わり、1930年代のアメリカ西海岸にタイムスリップしたのを覚えている。

1930年代のロス・アンジェルスを舞台にした探偵劇。しかし内容は単なる探偵劇を超えたサスペンスとロマンに溢れた物語になっている。探偵役のジャク・ニコルソンと相手役のフェイ・ダナウェイは黄金期のハリウッド映画を髣髴とさせる雰囲気と輝きを持って演じているんだ。それらは決してノスタルジーな感覚だけでは無く、今を生きる人々の心にもきっと甘く切なくやるせない感覚を与えてくれることだろう。

「どうしてこんな事が…」

「それは、ここがチャイナタウンだから」
探偵ギティス(ニコルソン)がひとりチャイナタウンを後に去っていくラストシーン。バックで流れる「チャイナタウン〜愛のテーマ」。私がギティスならその場でしゃがみこみ、打ちひしがれているだろう。

観終えたその足ですぐに山野楽器に駆け込み素敵なジャケットのサウンドトラックを手に家路についた。

映画音楽作曲家は観客と映像をより有機的に結び付けるためのとても大切な役割がある。
大作の壮大なテーマ曲や大冒険作品の勇ましいテーマ曲、それらにまつわる愛のテーマなど
役者の心持ちを表現したり、町の風景などを描写したりして画面に寄り添っている。

 


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

 

”Heaven & Hell”-Black Sabbath-

”Heaven & Hell”-Black Sabbath-

Vertigo ‎– 6302 017


Black Sabbathの中で一番好きなジャケットを選ぶならこのHeaven & Hellを挙げます。
天使がカードゲームをしながらタバコを喫む姿は初めて見た時とても幻想的で優美に写りました。
ちなみに私が好きなのは、一番左端の天使です。
クールな様相ですが、カードを1枚しか持っていないのでこの後のドヤ顔が想像出来ます。

ついでに画像検索で出てきたもう一枚

微妙なの

本人たちの顔をはめているのですが、なんとも微妙な1枚で元のジャケットが改めて素晴らしい事を実感いたしました。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター3F・赤塚 昭虎

”Red Curb”-Rei Harakami-

rh

”Red Curb”-Rei Harakami-

SBLLP018


へなちょこで変ないきものたち。

彼らにいのちを与えるのは紛れもない人間の想像力だ。壊れないように“持ってくる”のはとても難しい。脅かしたりしたらすぐに逃げてしまう。

レイ・ハラカミの音楽は神経質ではないけれど、極めて強力な没頭力によって維持されているように感じる。

彼が亡くなったと知った時、とても悲しかったが、「ああ…やはり早く呼ばれてしまう人だったか」と思った。

彼の生み出した変ないきもたちは、音のなかで今も生きている。


ダイナミックオーディオ企画室・佐藤 泰地