”The GREAT PARIS CONCERT” -DUKE ELLINGTON–

デュークエリントン.jpg

”The GREAT PARIS CONCERT” -DUKE ELLINGTON–

ATLANTIC SD2-304

#Happy-Go-Lucky Local


AUDIOファイルの皆様にとっても、再生が難しいLPやCDを何枚かはお持ちではないでしょうか。このアルバムは私にっとての最難関LPの1枚でありました。

若いころ、ベイシーのアルバムからは音楽の楽しさが伝わってくるのですが、エリントンのアルバムでは全然楽しむことができなかった。

エリントンオーケストラは本当に凄い唯一無二のジャズ集団で個々の器楽演奏家の音楽レベルと演奏レベルはジャズ界でもトップレベルであり、そこにさらに個性が加わるのだ。
彼らが一斉にとてつもないエネルギーを放射するのです。またさらに彼らはソリストのバックで伴奏を付ける時には、そのサウンドは真綿のように響き、とても金管楽器群が一斉に鳴っている音とは思えない心持になるのです。AUDIOはこのサウンドの表情の差を再生しなければならないのです。
もちろんその手綱をひき<エリントンサウンド>へと導くのは、オーディオ使いである皆さまであります。

私も大変苦労をしたものです。強大なサウンドエネルギーは時に私を弱気にさせ、075のレベルを下げさせたり、音量を自体を下げさせようと働きかけます。
しかし、そんな弱気な気持ちでは他の音楽にいい影響がある訳がなく、全体に覇気のない生きた音楽にならなくなってしまう。
やはり強気でないと、相手はジャズジャイアンツだからな、と。

自分を可愛がっていてはそれまでの音しか出ないだろう。

今では上手くいくと空気の扉が開くようなサウンドが現れクラクラする時がある。この感じ。だから努力はやめられませんね。

JBLのスピーカーが本領を発揮できればエリントンサウンドの悪魔と天使を気持ちよく表してくれるはずです。
試聴会ではこのアルバム内でも野性味溢れる曲「Happy-Go-Lucky Local」を選びました。キャット・アンダーソンのハイノートトランペットサウンドのバックで、分厚い金管楽器の重奏を聴くことが出来ますが、曲のように幸せな道を歩めたでしょうか。

2枚組のライブアルバムには素敵な演奏とサウンドが散りばめられています。最高に輝かせることが出来るか出来ないか。エリントン楽団は強敵であり最高の友です。

この3枚はビックバンド音楽の雄として100年後いったい誰の手で、どんなサウンドで鳴っているのだろか。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

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”COUNT on the COAST Vol.1” -COUNT BASIE–

カウントベイシー

”COUNT on the COAST Vol.1” -COUNT BASIE–

PHONTASTIC PHONT 7555

#Blue on Blue


 

このアルバムを入手するまでBAISEのアルバムは「BAISE IN LONDON」しか持っていなかった。
1987年のある日、吉祥寺の中古LP店で新入荷の棚を探っていた時に偶然手にしたアルバムは
真っ青な空と海岸線という美しい景色に遺影のようなベイシーの写真がある不思議なジャケットだった。
このレコードはスウェエーデンで1984年に発売され後にCDも発売。LP2枚組として国内盤でも発売されたのです。
そしてオリジナルLPにはもちろんVol.2とVol.3があるんですよ。

時間とはだれにでも等しく関わっていく流れでありますが、私はこのLPのA面を聴いているとウキウキしてあっいう間に片面が終わってしまうのです。
これはなぜか…どんな時も楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうことにほかならいからでしょう。

1958年のステレオ録音は少ないマイクで臨場感豊かに録られ野性味溢れる演奏家のサウンドが表情豊かに飛び出す。
特にドラマーのソニー・ペインのサウンドは今のマルチトラックでマイクを多用する録音では聴くことの出来ない気持ちいの良い音で最高だ。
その効果は各管楽器のサウンドやハーモニーにも現れ、上手くいけば夢ごごちになること間違いなしです。
そしてこの中で一番楽しそうにしているはだれか、もちろんカント・ベイシー御大でございます。それをほんの少しだけお裾分けをしてもらってね。
あーこんに楽しい音楽に説明は不要で、聴いて頂くのが一番。

マラソン試聴会で使ったTANNOYとオクターブのコンビは、既成概念を遠く超えた処で音楽を奏でてくれたと。TANNOYってすごくリズム感がいい音がするんです。
そんなリズム感あふれる曲は「Blue on Blue」、ベイシー楽団の変幻自在のリズムとビートに酔ってください。

何も気にせずただライブ盤という事だけで入手したLPはJAZZ BIG BANDの楽しさを生涯にかけて教えてくれた。
それは金額にしてたった1200円。
LPもCDも今ではほとんど見かけなくなりましたが、興味のある方は中古盤で是非お探しを。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

 

”GIL EVANS & TEN” -GIL EVANS–

ギルエバンス.jpg

”GIL EVANS & TEN” -GIL EVANS–

Viter VICJ-41659

#Ella Speed


さてこれからはJAZZ3枚を掲載していきます。

JAZZはJAZZでもBIG BANDを3曲3種類のスピーカーで再生しました。

 

マラソン試聴会では、初めはLINN EXAKT AKUBARIKでGIL EVANSのBIG BANDをFLACファイルで聴いていただきましたね。

ギル・エバンスのアップの横顔は確信に満ちた目と表情を捉えている。
Prestigeレーベルに1958年録音されたアルバム。たぶんこのアルバムを所有しているJAZZファンは少ないのではないかと思います。
モダンジャズレーベルでは珍しい10人による小ビックバンド編成のアルバムで多くのモダンジャズプレイヤーが参加している。
そして一般的なBIG BAND編成ではあまり使われる事のないバストロンボーンやフレンチホルンなどの楽器が使われことによって独特な響きの演出に一役かっているのもギルの才能であるのは間違いありません。

モダンビックバンドともいうべき斬新で都会的センスに溢れたサウンドとハーモニーはギルの編曲やアレンジに依る所で、それまでになかった新しさだ。
その斬新さを底辺から支えているのがポール・チェンバースのベースサンドであることは疑う余地のない事実である、というように私のAUDIOでは聴こえてしまうのです…。
抜群のタイム感覚、ビックサウンドで圧倒するピチカット、表情豊かなアルコ(弓弾き)演奏と自由自在な存在感で管楽器セクションを解き放ちます。
そしてこの豊かなサウンドを的確に捉えているのが録音技師でありカッティングエンジニアでもあるルディ・バンゲルダーなんです。
演奏家の個性はそのままに、実に伸びやかなサウンドを捉えたバンゲルダーはLPへの切り直しでサウンドの彫りの深さと迫力を湛えたのです。
そしてデジタルではステレオ音源となり各楽器の持つスピード感や響きの綾が克明に表れ今にして全く古さを感じさせない表情を私に示してくれます。
私はこの音楽をLP/MONO,CD/STREOで聴いていますがLPのダイナミズム、CD(FLAC変換して)の洗練感をその時々の気分で楽しんでいるのですがどちらも最高に楽しい。

今回は「Ella Speed」を選びましたが他にもいい演奏がちりばめられています。その中でも「Remember」はスローナンバーで、計算されつくされた管楽器の響きが幻想的に空間に解放されまるで自分が深夜のマンハッタンを彷徨っているような感覚を味わうような演奏だ。

LINNのSYSTEMはギルの思いを見事に音に変換してくれたと思います。でもこの音源にはまだまだ未知のサウンドが隠れているように思います。
この先を…ぜひご自宅で。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

 

”La Vie” -PIERRE BUZON–

Pブゾン2

”La Vie” -PIERRE BUZON–

日本通販株式会社 SOAP-1001

#Lave Story


 

深夜、ひっそりと聴きたい音楽があるものです。

ピエール・ブゾンのLA VIEは心を癒す音楽ではなく、心を豊かにしてくれる音楽。

AUDIO評論家の菅野氏が帝国ホテルのレストランで響いていたピアノサウンドに足を止めたことからこのアルバムが生まれました。
初めはLP1枚でピエールの横顔のジャケットで発売され、その後は2枚組となりAUDIO LABレーベルからパリの街並みを映したジャケットとなり再発売をしたのです。
もちろん私の持っていたアルバムは後発の2枚組のほうで、このアルバムがあるのを全く知らなかったのです。
このアルバムは友人が手放したLPの中にあった1枚。さすがだ。

収録曲は全てシャンソンや映画音楽。すべてが素敵だ。

1曲目、フランシス・レイ「ある愛の歌」の一音から私の心が深呼吸するのが分かる。もちろん映画も見ているしサウンドトラックもアンディ・ウリアムスの歌も知っている。
でもこのピエールのサウンドは飽きることがなく、その時々で私を感情的にさせてくれるのだ。

全ての曲に通じる私のイメージとは、ピエールの右手と左手が、男と女の語り合いや触れ合いのような織りなしをして音楽を紡ぎだしているように聴こえるのだが、間違いだろうか。
時に朗らかに、時に苦しみ、時の悲しく、出会いと別れのように。

そのピアノタッチからを紡ぎだされたベーゼンドルファーの美しいサウンドは、私の感情と空間で溶け合わせるのです。
甘すぎず、柔らかすぎず、フランス男にしか表現でないだろうと思わせるギリギリの粋さが品の良さを生み出し、心を豊かにしてくれる。
ピエールは曲の最後の一音を切る事無く、最後まで響かせてから鍵盤を離す。全ての曲に余韻を残すがごとく。

ライナーによると全曲とも1テイクで録音のやり直しは一回もなかった、と。

私のリスニングルームではたんなるムードミュージックを超えて、男と男の語らいのような時間の音楽、それは深夜。
そう、映画「カサブランカ」のラストのようなリックとルノーの関係がいい。もちろん私はルノー署長なのだが。あー。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

 

”Mozart Flute Quartets K285” -EMMANUEL PAHUD–

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”Mozart Flute Quartets K285” -EMMANUEL PAHUD–

EMI 5 56829 2

#Adagio


パユのモーツアルトはリラックスしていて実に楽しい。

クラシック音楽のLP・CDジャケットは、風景や建物が用いられる時が多くあり、JAZZやPOPほど印象が残るもが少ない。
このアルバムは清潔感あるパユが横たわり、にこやか微笑む姿が描かれたジャケットだが、これもモーツアルト的かな。

JBLのホーンからパユの呼吸が聴こえた瞬間、フルートの爽やかな響きが私に届きます。
深い呼吸の間は現れる音への期待と喜び。パユの呼吸が苦しかったり浅く感じられるような時はモーツアルトの音楽が楽しく鳴ることはない。
左側にいるパユの呼吸の深さはウーファーの鳴りにかかっている、それは遠く離れた右側のウーファーにも及んでいるのです。
フルートのサウンドに深さと勢いがあればヴァイオリン、ビオラ、チェロは言うことないだろう。過去にはよくこのCDでスピーカーの左右のバランスを確認したものだ。

ジャズ音楽のサウンドにはパワーがありそのパワーに寄り添ってサウンドバランスを取ることがイメージしやすいのですが、クラシック音楽、特に室内楽や器楽曲では、出音はもちろんですが響きの深さや響きの混ざり方などパワーと共にさらに注意して意識しなければいけないポイントが幾つかありイメージするのが難しいのです。
AUDIOの調整の時ジャズに頼りすぎてきた私にとりましては…。

自分にとってのパユのフルートカルテットは今でもモーツアルトの響きやハーモニーをシンプルにメージをさせてくれるCDです。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

”Maiden Voyage” -Austin Peralta–

ペラルタ

”Maiden Voyage” -Austin Peralta–

八十八 VRCL18831

#SPAIN


これから9枚、昨日行われました第41回マラソン試聴会で私が使いました音源のご紹介をさせて頂きます。

さて、いいジャケットにはいい音楽が入っている。いまはそんなにラッキーな事は滅多に無いものだ。15歳の横顔はいったい何処を、何を見ているのだろう。大人びた表情がなぜか寂しそうに感じるのは私の思い過ごしだろうか。

彼はもうすでにこの世の中にはいない。1990年生まれだというのに。

この一枚はオースティンが15歳の時に録音された初リーダー作品だ。
エイティエイツの伊藤八十八氏に見いだされ最高のリズムセクションが用意されて、やりたい事をやらせてくれたアルバム。

怖いもの知らずや若さや勢いだけの音楽ではない事は、JAZZを聴いてきた方ならピンと感じるのではないでしょうか。
テクニック、アドリブ、スピード、どれを取っても疑問を持たずに音楽が心に入ってくるのが心地いい。
それにもまして驚くのが、とても美しいピアノタッチなのであります。どんなにアドリブのスピードが上がっても荒れることがないのだ。
力任せではなくても底鳴りするオースティンのピアノサウンドは独特の響きを放ち、リスニングルームに存在感をしめします。

15歳のオースティンから、ドラマーのビルが30代、大御所のロン・カーターが70代と親子3代のようなピアノトリオだが、温かく見守る親のような気持ちは微塵もなく、容赦ないインタープレイを繰り広げている。
試聴会で再生した[SPAIN]はスピードとスリルに溢れた演奏でとても気持ちがいい。特に曲のエンディングで坂道を転がるように演奏をする3人がピタッと終わらせるのは圧巻。

機器のバランスがいい時に、思い切ってアンプの音量を上げてこの曲を聴くと目の前にオースティンが生きているように躍動するのだ。
勇気を持って音量を上げた人にだけに得られるかもしれない喜び、快感、満足感。

しかし、もうオースティンの新しい演奏を聴くことはできない。とても残念で悲しくもあるが彼の音楽をその時々で聴き続ける事が賛辞になるのではないでしょうか。
もちろんそれにはAUDIOが、使い手が試される事であると思いますが。

素敵なアルバムを一人でも多くの人に知ってもらいたいのはマニアの常でしょうかね。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

”µ-Ziq” -in Pine Effect–

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”µ-Ziq” -in Pine Effect–


1995年リリースらしいから、もう20年以上前ということになる。

μ-ZiqことMike Paradinasの傑作[in Pine Effect]。

アルバムとしては[Lunatic Harness]の方をたくさん聴いたけど、このジャケットに写っているレコードプレイヤーはなんだろう?とずっと気になっていた。

その頃はまさか自分がオーディオ屋になって、これがDiatoneの<LT-5V>という縦置きリニアトラッキングプレイヤーで、おそらく表面にPine(松材)を貼って改造したものだろう、なんて考えるようになるとは思ってもみなかった。

メンテしずらそうだけど、ふつうに欲しい。


ダイナミックオーディオ・企画室・佐藤 泰地