休日は音楽

年末年始は自宅ではAUDIOで音楽を聴かないことにしている。
仕事や身内とのかかわりなど予定や集まりで慌ただしいのと、あまりに周りが静かだからであります。

その気持ちに終止符をうったのは1月18日木曜日で、私の定休日だ。
朝六時に窓を開け空気を入れ替えてからパワーアンプの電源とターンテーブルの電源を入れる。朝食ををすませ、九時にJBLの前に身を構える。
こんな時こそAUDIO的な儀式を忘れて音楽を聴こうと、そして今日は全てJAZZ MONOLPで音楽を聴こうと決めたのだった。

初めはブルーノート盤の「ハトサド」のB面1曲目のバラードからだ。
少しだけ硬質だが明解で彫りの深いサドのトランペットサウンドが印象的だ。心に染みるようなサドのフレーズと歌心は若手トランペッターにはない世界だ。

これから再生していく音楽に期待が持てる良いスタートをきった。ここでRchの075のアッテネーターを少し動かす。

次はゲッツの「カルテット」だ。原版はSP盤だが実に味わい深いサウンドがバンゲルダーによってLPに切り直しされている。
曲は「Long Island Sound」。軽快で流麗なテーマからいきなり演奏に引き込まれ体がリズムを刻み始めて、嬉しい。
またアル・ヘイグのピアノ伴奏が最高のサポートで演奏にスピード感を与えるのだが、同時にしっかりとした聞き応えの重量感もあるのが不思議だ。
だからたった3分間が最高の3分間になる。とても充実して時間だった。サウンドのセンター定位も何故か決まっている。

急にパーカーが聴きたくなった。

Dial905、パーカーの別テクを集めたLPだ。
A面を初めから聴くとする。やはり順を追ってあの曲に辿り着きたかったからだ。
1940年代後半の録音でありゲッツと同じ元の音源はSP盤だが、そんなAUDIO的な技術を圧倒するような迫力あるサウンドが目に前にあられるのだ。
誰が、何が、凄いのか?私はもちろん演奏家が凄いからだと、マイクの前に凄いサウンドがその時存在したからに他ならないと、そんな思いが確信できる今日のサウンド。
そしてその曲の順番がやって来た。

「The Famous Alto Break」
「A Night in Tunisia」のNo1テイクだ。録音は1946年。
パーカーが残した最高のブレイクだけを収めてたトラックで、残念な事にブレイク後の演奏は収められていない。
なぜか。それはきっとあまりに素晴らしいブレイクにメンバーが聴き惚れてしまい我を忘れたからだと想像する!!
ブレイクだけのトラックなんて後にも先にもパーカーだけだろう。それほどに圧巻のアドリブプレイなんですよ。

パーカーはどうしてもストリングスと共演がしたかった。
ノーマン・グランツの力でパーカーのカルテットとミッチー・ミラー楽団の共演が実現する。
全編スタンダードで統一されたアルバムのA面全曲を聴いてしまった。
デビット・ストーンマーティンの怪しげなパーカーのイラストが印象的なアルバムジャケットは私の大好きなLP。
ストリングスは少し安っぽいがそんな事などどうでもいいと感じさせるパーカーの歌心とアルトサウンド。
ただただ聴き惚れると同時に、何故?いったいどうして?と深まる謎を感じながら聴くwith Stringsは時間の宝物。
それは私だけの部屋の謎なのかもしれない。謎があるから聴き続けられる。

JAZZ史上最高のインタープレイの一つは二人の白人が作り出した。
「Undercurrent」ビル・エバンスとジム・ホール。
パーカーのサックスサウンドに満足した私は、ここぞという時が来た時に聴きたくなるこのLPに自然と手を伸ばしたのであります。
しかし、いつ見てもカッコいいLPジャケットで音楽を聴く前から期待が高鳴るのだ。
圧巻だった。エバンスの熱さがピアノタッチを通して音に現れて音楽のスピードを加速させるのだが、ホールがギターでその加速に重さを加えるので、たった二人で演奏しているとは思えない手ごたえ感が体全体に伝わってくる。そしてこの日は特にホールの演奏の凄さが伝わってきて感動を加速させる。
今まで聴いた最高のインタープレイの一時で、とても嬉しくも幸福な空間だった。もう次はモンクと決めていた。
「Monk’s Music」のジャケットはモンク、メンバー、演奏内容と全く一致しないとてもユニークで印象深いジャケットではないか。でも最高にカッコいい。
このLPはラベルはがホワイトでエッジがフラットのオリジナル盤です。少し暗騒音的なノイズがありますがとても迫力溢れるサウンドが刻まれています。
管楽器の合奏から「Well You Needn’t」に突入!!
全員によるテーマからモンク・コルトレーン・ウェア・ブレイキー・ホーキンス・グライス・モンクとソロが続きます。
圧巻のモンクスミュージックは白人では絶対に超えられない壁のようだ。太古の昔からあるよなサウンドとリズムは現代人には不自然と感じさせるかもしれない。
でも、渦巻きのようなスイング感に心も体も巻き込まれてしまう。そして溝に刻まれた音がモンクスミュージックにさらに魔法をかけるのです。
エバンスのピアノタッチも凄いがモンクのタッチはその何倍も重く垂直に鍵盤に落ちて行く。早く重くとても響きが広がるのだ。
それに負けないウェアのベースサウンドは太く張りがあり上から真下に落ちるようなピッカットを繰り広げ、ブレイキーはアフリカを連想させるサウンドを繰り広げる。
キング・ホーキンスのテナーサックスはモンクのリズムに多少ふら付くも重く厚みのあるサックサウンドで圧倒的な存在感を私の目に前に現れるのです。
モンクスミュージックの魔法はモンクそのものでありますが、このメンバーがその魔法をさらに濃いものにして最高の密度にしてるのは間違いない事実か。
久しぶりの魔法の満足感で心が満たされます。

前半の締めくくりはポール・デズモンド。
「Bossa Antigua」からA面のラスト「Samba Cantina」
私の大好きな曲で区切ろう。
デスモンドとホールそしてサンバ。いい、ひたすらいい。楽しい5分30秒に感謝。

さー軽く昼飯をすませて。午後にはまた音楽を聴こう。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

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