”THE MAGNIFICENT” –THAD JONES –

”THE MAGNIFICENT” –THAD JONES –

BLUE NOTE 1527


1500番代に3枚あるサド・ジョーンズのアルバムで一番好きなアルバムなんです。
音楽的な内容においても、ジャケットのデザインにおいても、ブルーノートの中でも特別な一枚で外観と内容が一致していると思っている。
昼間の街角で佇むサドを下から舐める様に見上げるフランシス・ウォルフのショットは最高で、リード・マイルス選ぶフォントや色、そして配置はより一層に写真の効果を高めている。でも一番の主役は煙草を吸うサド・ジョーンズでスーツ姿がカッコいい。そして後ろにチラッと見えるスカートの女性は奥さんらしい。
まるで鳩まで演技をしている様に見えてしまうのは気のせいであろうか。
JAZZファンの間では「ハトサド」の愛称で呼ばれる隠れ名盤だ。

A面一曲目「April in Paris」に針を落とせばマックス・ローチの印象的なブラッシュサウンドが始まりJAZZの音楽世界に引き込まれてしまう。
10代の私にとってまるで媚薬のようなそのサウンドはマイルス・デイビスのLP「クッキン」の「マイファニーバレンタイン」を聴いた時と同じく衝撃的だった。

大人の雰囲気を音で表すサウンドは当時の私の自作スピーカーからでも十分に伝わり、音楽の、AUDIOの素晴らしさを教えてくれた事を今でも思い出します。

サドを取り巻くサイドメンも素晴らしいサポートでこのアルバムの価値を高めてくれている。

「April in Paris」もいいがB面のスローバラード「If Someone Had Told Me」はサドの歌心を素晴らしさを知らしめるバラードの名演だ。
バーリー・ハリスの味のあるピアノイントロから現れるサドのオープントランペットのサウンドはクリフォード・ブラウンや、リー・モーガンとは違う特別な音のように聴こえくるのだ。張りがあり抜けがよくパリッとしていながらじつに抑揚があるのだ!!

ブルーノートの数ある素敵なアルバムの中でも特別な雰囲気を持つこのLPは、”大名盤”というわけではありませんが、沢山の人々をJAZZファンに引き込んだ愛すべきLPではないでしょうか。

しかし、10代の頃に考えたいた憧れのAUDIOを手に入れて聴いた今のサウンドより、初期のAUDIOで聴いた時の印象が今でも強く残っている事に複雑な気持ちがあると共に、このLPが私に与えた印象の強さを今でも感じ取ることが出来る事を幸せに感じる。

ゲッツとサド・・10代に良い音楽と巡り合えて運が良かった。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

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