”OVERSEAS ” –TOMMY FLANAGAN –

”OVERSEAS ” –TOMMY FLANAGAN –

Prestige 7134


ハルのアルバムでグリーンの色が印象的と書いた瞬間にフラナガンのアルバムの事を思い出した。グリーンのジャケットには「C]の字が縦11個、横17個、合計で187個も書かれている。

1970年代に幻の名盤ブームが起こり、再プレスが行われることなく一部の所有者しか聴くことの出来なかったLPが大いに話題になった時がある。
その中でもアート・ペッパーがリーダーを務めるイントロ盤「モダンアート」と共に入手困難なアルバムがトミー・フラナガンの「オーバーシーズ」だった。
そんな事でこのグリーン色と沢山のCの字のジャケットは、幻の名盤として聴く前から私の心を掴んだ事が、とても印象に残っているのです。
さてようやく国内盤を買いA面の1曲目、チャーリー・パーカーの演奏で有名な「リラクシン・アット・カマリロ」が鳴り出した瞬間、トリオの三人が真剣勝負でサウンドしている
気迫が音として聴こえてきて固唾を呑んで聴いたことが今でも蘇ります。

若い私は時間が経つのも忘れ、あっという間に両面の演奏を聴き通してたのです。

こんなに鋭角で殺気のあるフラナガンのピアノタッチは他のアルバムでは聴く事は出来ない。
これは異国での録音の影響か、それとも初リーダー作ゆえか、もしくはドラムがエルビン・ジョーンズだからか・・・・。

時間の経過の中でこの音楽がたんに激しいだけではなく凛とした気品があるように感じられる様になってきたのは、AUDIOの表現力が上がったのか、それとも私の音楽力が
上がったからか。とにかくそう感じるのだから仕方がない。しかし、間違いなく野性味と気迫と気品・・・かれら3人の最高の瞬間がこの溝には刻まれていると確信しています。

時代は変わり、今の音楽で野性味と気迫にはめったにお目にかかる事はなく、知性に溢れた音楽が沢山あります。
気品は癒しに変わりリスナーを安心させてくれるようになったのかもしれない。

このLPジャケットはアフリカのジャングルの趣で、バンゲルダーのリカッティングの効果もあり、野生のリズムとJAZZの知性にこれから遭遇すると思うと、ジャケットからLPを取り出す時にワクワクするんだよな〜〜。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

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