”Faure Requiem” -The Paris Conservatoire Orchestra/ ANDRE CLUYTENS –

”Faure Requiem” -The Paris Conservatoire Orchestra/ ANDRE CLUYTENS –

EMI CANB 107

#Kyrie


 

次の装置はTANNOYのARDENとオクターブのプリとパワーアンプだ。そして入り口はLINN KLIMAX LP12。曲はフォーレのレクイエム。指揮はアンドレ・クリュイタンスで楽団はパリ音楽院管弦楽団。

中古レコード店の店主がこんなのはいかがでしょうかと2枚のLPを私の前に出してきた。
2枚とも同じ内容のLPであったが、枚はイギリス製のMONO盤、もう1枚はフランス製のSTEREO盤。
内容はどららもフォーレのレクイエムであった。

10代から国内盤で聴いてきた大好きな演奏で、いつかは輸入盤でほしいと思っていたのが店主にはお見通しであったようだ。
この頃中古盤を買うときはMONO盤がメインであった私には、とても迷う選択でMONO盤の音の強さも捨てがたく、STEREO盤の響きの豊かさも魅力的だった。
さーどおする。迷ったあげくに、ここはフランス物はフランス製に限ると思い込み少々値が張るがSTEREO盤を手に家に帰ったのです。

家で聴くフランス盤のレクエムはそれはもう響きが豊かで国内盤とはこんなにも音楽の表情が違うのかとビックリしたのを思い出します。
しかし、聴き飲んでいくうちに何か物足りなさを感じようになり、最終的にはもっと凄いはずだという結論になり、私のAUDIOがまだこのLPの素晴らしさを表現できるレベルにない事を思い知らされたのだった。

しばらくこのLPから遠ざかっていた。

ある日の事、音楽を聴いていて、いつになく気持ちよく音楽のチョイスが進む時があり、自然とレクイエムを再生する瞬間が来たのです。
A面の1曲目「キリエ」にMCH-1を下す。
ノイズが出た瞬間から過去の印象と全く違う音が聴こえてきたのが判った!!
そして演奏が始まった瞬間から私はもうただひたすら聴き惚れるしかなかった。
霧が漂うようなが弦楽合奏、天井から降り注ぐ金管楽器群、そして血の通ったコーラスの合奏、どれもがアート的でヨーロッパ文化の歴史の響きに包まれるような感覚。
キリスト教徒でもない私が祈りたくなるような力がこのLPの溝には潜んでいたのです。いつの間にか私のAUDIO達はこのような表現力を持ちえたのだろうか。
終わりに現れるオルガンの最低音の浸透力に何かのパワーを授かったような印象を残し「キリエ」は終わった。

マラソンではTANNOYでこの曲を再生したいと考えていました。できれば真空管アンプで。
会場ではどのように響き皆様にどのように届いたのでしょうか。TANNOYには伝統があり文化を感じる響きと表現力があると信じています。

現代の真空管アンプと1980年代の名機の復活はAUDIO界にどんな風をふかせるのでしょうか。


ダイナミックオーディオ・トレードセンター店長・厚木 繁伸

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